noises of photos デジタル時代の写真=写心論考
レンズ交換型一眼レフデジを使い始めて、そろそろ4年目を迎えようとしている。
で、ふと最初のころを思い出してみて、 自分がその頃から比べていちばん変わったところってなんだろうと考えてみると、 なにしろ先ず、写真関係の雑誌・書籍をあまり読まなくなった。
最初のころは、毎月、写真・カメラ関係の雑誌をほとんど全部購入していた。 これは、写真に関する知識がほとんどなかったからというのもあるけれども、 やっぱ上達したい、という気持ちが強かった。 書籍への盲目的信頼あるいは依頼心てなところだったのかも知れん。
2年目、3年目と過ぎるうちにこれらの雑誌をあまり読まなくなったのは、 当然のように知識が少しずつ増えたというのもあるが、 上達したいという気持ちが、そういった雑誌類を読むことでは
まったく満たされないと気づきはじめたからなのかも。 知れん。
雑誌・書籍のタグイも、そうそう信頼できるわけじゃないと、ちょっと疑い始めた。 と言うか、もともと写真に上達とか退歩とか、うまいとかへたとか、 ほんとうはそんなものはないのではないのか。 んなもなぁ幻想ではないのか。 という気がしてきた。
写真がうまいと言われる人、というのは、 それはほとんどが幻覚症あるいはよく言って裸の王様でしかないのではないのか。 と疑い始めた。
これは実は非常に簡単なことで、コトが写真に関することだから分かりにくいかも知れんが、 あるいは眉間に皺のひとつも寄せないと話題にしてはイケナイことのように思われるかも知れんが、例えば同じコトを 流行歌手 について考えたらめちゃんこ分かりやすくはないか。
たとえばそーだなー。
オレは松任谷由美とか中島みゆきとかがめちゃくちゃキライなわけだ。 あのサイレンのような声はなんとかならんのか。放送禁止歌手という制度があってもよいのではないかと思う。 イヌの遠吠えのほうがよほど音楽的ではないかと、オレは思う。
ところがどういうわけか、 アレを紅白歌合戦に出しちゃう勢力が世の中にはあるわけだ。
深みがある、なーんちゃってよ。 いっぺん耳鼻科行って来いと言いたい。
サザン・オール・スターズの桑田くんはどうか。 ヘタだわな。ヘタだけど、いいわな。と勝手におれは思う。
しかし、クワタは嫌いだという人もいるはずである。
好き嫌いというのは生理的反応に近いから、 ま、体質によっていろいろな見方がなきゃおかしい。
それを、なんで写真だと良い・悪いを一致させたがるのだ?あるいは自分の見解を、すり合わせたがるのだ?さらには、模倣するのだ?
ちがってたほうがおもしろいじゃん。っつうか、こんなもんですり合わせしても意味、あらへんのとチガウんか。。。
ところで、こうやって見ていくと次第に見えてくることがあって面白いんだけれども、 例えば一線級のプロってか、売れてる歌手というのは、 不思議なことに必ずどこかに欠点をかかえている。
例えば大半は、美声でないあるいは声量がないという、どちらかといえば歌手としては致命的とも思える欠陥を持ちつつ、歌っている。 そしてここが重要だが、「なのに」売れている。
あるいはここがさらに重要なのだが、 「だから」売れている。
先にあげた松任谷由美とか中島みゆきもそういったタグイなのかも知れんが、 おれにはその欠点の向こうにある(であろう)ヨサがさっぱり分からんし分かりたくもないし説明もされたくない。
評価のすり合わせなど真っ平ごめんであるw。
ところで一方で、美声であり、声量もありながら、一向に売れない歌手と言うのは、それこそシコタマいる。 これなど、ウマイ・ヨイという点で衆目が一致するであろうことは明らかである。
でも売れない。あるいは、 だから売れない。
話はまた飛ぶ。最近、昭和のメロディなどの番組を見ていると、たまに、
『え。これってこんなにいい局だったのか』
と、なにか新しい発見をしたような気分になる瞬間てのがある。
これなどはきっと、幼かった頃には理解できなかったことが、 幾星霜を経て、わかるようになったっつーことかも知れん。 てことは、主観的評価もやはり絶対ではないということになる。
こうなってくると、ナニが良いのか・悪いのか、 客観的指標なんてぇものはありはしないということになる。 世間で評価を受けるのに、これだと決まった指針なんてものはない。
そのあたりは、もんたよしのり・森進一・前川清らがデビューするのに大変に厚い壁があったと言われることでも、わかる気がする。その時代ごとの感覚だけでは読めない部分も、ある。 このことはいずれまた整理して考えてみたいもんだなぁ。
なので、写真においても、これだという構図たら露出たら、あるわけねーんだろう、きっと。いずれ、日の丸構図をマスターしようとか、極悪アンダーがあなたをハイアマチュアにとか、そういうパーな時代が来ないとも限らん。
結局、良い写真かどうかは、それぞれがそれぞれの勝手な思い込みで決め倒すしかない。 あるいは、賛否のいずれにせよ、コメントを多く受ける写真が単純にその時点で一番良い写真なのだとワシは勝手に指標を立てている。
のである。
2005-09-26 01:56:57