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TV版【ROOKIES】を見る
大晦日を明日に控えた今日、テレビをつけながら部屋の掃除をしていて、そのテレビの面白さについ、掃除がおろそかになってしまったのだった。
画面に映っていたのはTV版『ROOKIES』という、なんつーか、まぁ学園ものドラマであると言えるか。
少年ジャンプに連載されていた原作は、行きつけのうどん屋で注文の品を待つあいだにちらちら見たりして、まぁ知ってはいた。そのストーリーは、不良どもが熱血先生に出会って、夢(この場合は甲子園出場)を追いかけ始め、そして努力あり涙あり脱線ありの結果どうたらこうたらという、二行ほどで済むような話ではある。
基本的にオレは、不良を主人公にしたドラマ・映画・その他はキライである。不良をヒーロー扱いするのはいかんというよりも、実は不良は最初っからヒーローなのである。だから、不良を扱ったからといって、んなもんはアートではない。バカ臭い。
のではあるが、それでもオレがこの漫画の原作を折りに触れて読んだりしていたのは、この漫画には、それだけではない魅力があったからだ。
その魅力がなんだったのかなどということはこれまで考えたこともなかったけれども、今日このテレビを見ていてわかった気がする。つまり、徹底的にバカ臭いのである。
ちらっとインタネットで検索してみたが、このドラマは70年代的熱血先生をいまどきどうの、という寸評があったりした。しかし70年代だって、ここまでバカ臭い人物設定はなかった。中村正俊はちとそうだったかも知れんが、バカをやってもバカではなかった。憂いがあった。
この ROOKIES の場合、出自がマンガだということもあろうけれども、主人公の先生は徹底的にバカである。それを、生身の人間がきっちり演じきった。そしてきっちり、魅力的な作品に仕上がっている。ここに非常に感心した。
なんてぇのかなぁ。
以前このブログで、作品が作品と呼ばれ得るものであるためには、少しぐらいの欠点はあったほうがいいのだ、と書いた。
今回この作品を見て思うのは、徹頭徹尾欠点だらけであってもいいのだと分かったとでも言うか。とにかく徹底的にやり倒すこチカラのスゴさというか。
まぁとにかく、感心したのだった。
- Date : 2008-12-31 (Wed)
- Category : 表現の教科書