fc2ブログ
Profile

hayjay

Author:hayjay
hay jewdaw's photo blog without photos.
饒舌写真blogを目指して書き倒す!

Works
96

【静かなる狂気】 Vilhelm Hammershøiを訪ねて(2)

=まずはフェルメール=

フェルメール (ニューベーシック) (タッシェン・ニュー・ベーシック・アート・シリーズ)



写真ってやつを考えるときに、フェルメールは巨峰である。作品が、写真以上だからである。写真的であるが、写真以上のチカラで見る者に迫ってくる。

いったいなぜか。ならば我々写真愛好家が、いま写真に付け足すべきものは何なのか。あるいは写真から削ぎ落とすべきものは何なのか。写真表現とはいったい何なのか。そういう根源的な問いかけが、そこにはある。

 

フェルメールの時代には、今に言うカメラは当然存在しておらず、ただ、その原型とされる「カメラ・オブスクーラ」といわれる仕組みだけがあった。

ueno03


この絵は、作家・画家の赤瀬川原平氏がその著書「名画読本」で示されたものである。赤瀬川氏は、フェルメールはおそらくこのカメラ・オブスクーラを駆使したであろうとされているが、ここで注意しておきたいのは、カメラ・オブスクーラの場合には、現代版カメラのようには、画像を紙・フィルム、あるいはデジタルデータのようなかたちで記録として保存できない、という点である。ただその場で、視覚に一定の変容を与えるだけである。

さてここではこれ以上フェルメールの技法について触れる必要はないと思う。フェルメールについて触れたのは、ハンマースホイが紹介される際には必ず「フェルメールを思わせる、静謐で古風な室内表現」云々というように、フェルメールとの共通性を指摘する声が多いからである。そしてもちろん、そういうように言われるまでもなく、ハンマースホイの作品に触れれば、おそらくほとんどの人がフェルメールを想起するであろうからである。

ハンマースホイに触れれば、フェルメールを理解する糸口がみつかるかも知れない。そう思って私は東京へと旅立ったのだった。

ueno04

 



謎解き フェルメール (とんぼの本) 

最近の記事
Return to Pagetop